イナゴの佃煮2013年09月30日 21:36


信州の秋のタンパク源はイナゴの甘辛炒め、「佃煮」なんて上等なモンじゃ
ありません。
スーパーで買った市販品ですが、昔懐かしいサッパリ味でイナゴ本来の歯触り
と旨味が感じられました。
蜂蜜や水飴でコーティングして、本来のイナゴの旨味と歯触りをないがしろに
した都会向けの「イナゴの佃煮」が流行っていましたが本来の素朴な味に還った
ようです。

イナゴ獲りと泥鰌サクリ(泥鰌スクイ)は戦後間もない食糧難の時代、
子供たちにとって遊びと実益を兼ねた生活の一部でした。
・・・その他には夏の「赤魚ニガミ」もありましたね。

子供が稲刈りの終わった田圃を駆け回って捕まえたイナゴを持って
帰ると、母がフライパンに入れて空炒りしてから砂糖と醤油を絡め
て炒めました。

ニュースによると、伊那市の珍味店ではⅠkgで四千円弱だそうです。
原発事故の影響で東北地方からの入荷が減っているうえ、捕獲者も高
齢化しているので年々入荷量は減っているようです。
でも、地域の古くからの食文化なので今でも自家製の「イナゴの甘辛
炒め」に拘っている人々にとっては貴重な季節の食材なのです。

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